いざというときに安心な医療保険

日本の国民皆保険制度は、世界に誇ることのできる仕組みです。すべての国民を何らかの医療保険に加入させる制度で、国民保険や組合保険など、だれでもいつでもどこでも保険医療を受けられる仕組みが整っています。これは世界的にみても非常にすぐれた仕組みで、導入している国はそれほど多くはありません。また日本には高額療養費制度といって一か月間の保険医療機関の窓口で支払う医療費を一定額以下にとどめる制度があり、一定額以上は個人負担しなくていい仕組みも整っています。しかしながら、入院などすると保険適用にならない費用も発生します。たとえば個室を希望した場合の差額ベッド代、食事代、おむつ代などは実費がかかりますし、もちろん家族が付き添いにくる場合の交通費や食事代などもかかってくるので、保険適用にならないお金の総額というものはバカになりません。また、高額療養費制度も一旦全額支払った後に、差額が返ってくる制度なので、病気になると一定額のお金は必ず必要になってきます。また医療技術は日進月歩ですが、いわゆる先進医療の多くは保険適用外となります。がん治療での粒子線治療などは、多額の費用がかかる治療として知られています。このように、国民皆保険制度上での保険ではまかなえない部分をカバーするものとして、個人でかける医療保険があります。結婚や子供の誕生といったライフステージの変化によって、ひつようなものをかけていき、どんどんと内容を変化させることができるのも特徴です。子供が小さいときなどは、いざというときのために比較的保障の大きなものをかけておき、子供が独立した、または自宅ローンが完済したなどのタイミングで安いものに掛けかえるなど、毎年のように内容を変更させることも可能です。掛け捨てとよばれる保険は掛け金が安いことが魅力ですが、万が一何の病気にもかからなかった場合、それは幸せなことですが掛け金は一切かえってきません。逆に年金のようにある一定の金額をかけて、何もなかった場合でも一定額かえってくる保険などもあります。また、今までは持病があったり高齢であると加入を断られることがほとんどでしたが、最近では一定条件を満たせば加入できる保険も増えてきました。病気やけが、事故はだれしもしたくないものですが、誰しも起こりうることでもあります。万が一の時に安心できる備えのひとつとして、また家族のためにも医療保険はこれからますます重要性を高めていきます。病気と闘いながらお金に心配もすることは、非常に困難なことです。万が一の備えが大切です。